宇宙まで広がったマリオワールド 「ザ・スーパーマリオギャラクシー・ムービー」を観て、私が考えてしまったこと

映画レビュー

「ザ・スーパーマリオギャラクシー・ムービー」を観た。2026年4月1日公開、前作「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」で世界興行収入13億ドルを叩き出したコンビ、マイケル・ジェレニックとアーロン・ホーバスが再びメガホンを取り、あの宇宙規模の冒険をアニメーションで描いた作品だ。観る前から期待が高まっていたのは認めるし、実際にスクリーンを前にした瞬間から、私はかなりあっさりと物語の中に引き込まれていた。

The Pop Score

Rating based on impact and craft.

8.8

星から星へ、あの頃の感覚が戻ってきた

正直に言うと、オープニングの数分で少し泣きそうになった。宇宙空間を漂うように広がる星々、重力を操りながら球体の地形を駆け回るマリオの姿Wiiで「スーパーマリオギャラクシー」を初めてプレイしたときの、あの感動がフラッシュバックしてきたのだ。あの作品が持っていた「宇宙の広大さと、孤独感の同居」みたいなものを、このアニメーション映画もきちんと継承しようとしているのが伝わってきた。クリス・プラットのマリオ、前作で批判されていた声もあったけれど、私はもう慣れてしまっているし、むしろ今回は宇宙というスケールの中で彼の少し抜けた明るさが良いバランスをとっていたと思う。アニヤ・テイラー=ジョイのピーチも、前作より踏み込んだ行動力を見せていて、ただ救われる存在ではなくなっていた。そこは素直に嬉しかった。

でも、メタ認知の私がうるさかった

没入できていたのは事実なのだけど、観ながらもうひとりの私が何度かうずいた。たとえば中盤、マリオとルイージが引き離されるシーンの感情的な高まりが、どうにも急に思えた。関係性の積み重ねが少し薄いまま「感動の場面」に突入するから、演出は豪華なのに心がついていかない瞬間があった。ジャック・ブラック演じるクッパも、前作の怪演がウケすぎたせいか、今回は同じ方向性のギャグが繰り返される場面があって、「あ、これは前作のファンサービスだ」と頭で理解してしまった。ベニー・サフディが新キャラとして加わっているのは興味深いキャスティングだったけれど、正直彼が担う役割が物語の中で十分に機能していたかというと、疑問が残る。伏線なのか、単なる賑やかしなのか、判断がつかないまま終わった部分もあって、そこは引っかかった。

「選ばれた者の孤独」という、ゲームが持っていたテーマの行方

ここが一番考えてしまったところなのだけど、元になったゲーム「スーパーマリオギャラクシー」には、宇宙のスケールを使って描かれた「孤独」があったと私は思っている。ロゼッタというキャラクターが持つ喪失の物語、そして広大な宇宙の中でたったひとつの星を目指して走り続けるという構造。あれはファミリー向けゲームの皮をかぶった、かなり深い孤独の物語だった。今回の映画がその要素をどう扱っているかに注目していたのだけど、率直に言うと、映画としての「楽しさ」を優先した結果、その孤独の部分はかなり薄められていた。キーガン=マイケル・キーが声を当てるトードのコミカルな存在感や、テンポよく続くアクションシーンの連打は、観客を飽きさせないための正しい判断だとは思う。でも、「ギャラクシー」という題材が本来持っていた静けさと切なさを求めていた私には、少し惜しい映画だった。エンターテインメントとして優秀なのと、心に刺さるのとは、やっぱり別の話だ。

観終わって、それでも好きだと思っている自分がいる

恥ずかしいけど、エンドロールで流れる音楽で普通に胸が熱くなった。ゲーム音楽を映画のスコアとして昇華する仕事は、今回も見事だったと思う。そしてチャーリー・デイのルイージは、前作に続いて私の心をつかんで離さない。彼のルイージには「勇気がないわけじゃない、でも怖い、でも行く」という人間らしい葛藤があって、それだけで十分に観た価値があると感じてしまう。完璧な映画ではないし、前作の興奮をそのまま更新するものでもなかったけれど、宇宙を舞台に繰り広げられるこの冒険は、やっぱり映画館で観るべき体験だった。気になる人はBlu-rayや配信でも十分に楽しめると思うので、ぜひ手に取ってほしい。

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体感点数:71点

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作品情報:The Movie Database (TMDb)

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